『地球へ戻るよ』
そう言った貴方の言葉に嘘はない。
そう言って貴方が流した涙は真実。
-共に平和の歌を-
行かせたくなかった。
貴方がまた傷つくのは目に見えていたから。
けれど私が止められる程度の意思ではなくて。
何かを見つけて…心に深く"決意"という意志を作り上げていて…
私が止められるわけがなかった。
だからこの場所へ貴方を連れてきた。
思いだけでも…力だけでも…何かを変えることは不可能だから。
「ラクス・クラインは平和の歌を歌います」
それが私に出来ることのすべて。
・・・そして私にしか出来ないことのすべて。
この場所へ貴方を連れて来たくはなかった。
本当は力ずくでも止めたかった。
・・・貴方の傍に居たかった。
戦争をしている世界。
そして軍人である貴方。
『キラ・ヤマト』
もう一度会うことが出来るのでしょうか?
この戦争は終わるのでしょうか?
貴方は…そして私は生きて残れるのでしょうか…?
でもそんな不安を持つ顔を見せたくなかった。
だから笑顔で手を振った。
「お気をつけて…」
このキスは貴方の無事を願う私の想いのすべて。
また生きて出会える事を願う私の想いのすべて。
『ラクス・クラインは貴方と共に平和の歌を歌います』
願わくば…私の歌声が貴方へと届かんことを。
END