ぬら孫/夢本編のフライング未遂もの
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この心の中にある、名前の付けられない『何か』。
きっと、それに気づくことが遅すぎた。

(本当は、彼奴に触れたかった。でもオレは、触れられない)
(僕と夜の僕は同じだけれど、違う。でも、同じなんだ。
そうでなきゃ、僕がこんなにも胸が痛く感じるなんて、無い)

何かが起こることは無い、はずだった。
起きないと、思っていた。
けれど起きてしまった。
後悔しても、し足りない。

(大丈夫だと、思ってた。守ると決めていた。それなのに、守れなかった。
守らなければ、いけなかったのに)
(彼は龍神で、手を出す輩は居ないはずだったんだ。
…ううん、そんなのは言い訳だ。気づくのが、遅すぎた)

彼は神様。
僕は人間。
俺は妖怪。

決して超えることの出来ないものが、在った。


それでも、もっと早くに気づけたはずなのに。

end. (2009.12.20)


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