A)分かりあうことのない2者
「友達?親友?信じていた?裏切られた?ハッ、笑わせる。
全てを捨てる覚悟でやって来たアイツはともかく、お前にそんな言葉が吐けるとは」
「結局お前は、自分が可愛いだけだろう?手放したくないだけだろう?」
「何かを得ようと思ったら、何かを捨てなければならない。
そんな単純なことも無視して、与えられるものを貰うばかりで与えない」
「私を殺したいか?私が誑かしたと信じたいか?フン、勝手にしろ。
もっとも私は、お前に殺されるほど弱くはない。KMFの操縦技術もな」
「失くしても気付かないお前など、殺す価値もないさ。せいぜい頑張ってくれ」
じゃあな、死ねずに苦しむと良い。
−−− 灰色の魔女が告げた言葉。
B)許しを乞うなら跪け
「もう来なくて良いわ。退学届は出しておいてあげたから。
貴方に関わる物は、特派のアスプルンド伯爵にお渡ししたから、そっちから受け取って」
「は?どうして、ですって?貴方、それも分からないくらいに愚かなの?
…良いわ。どうせ二度と会うことはないんだから、少しだけ教えてあげる」
「私ね、8年前まで、貴方が友達だって言ったあの方の婚約者だったの。
ここがエリア11になった後、私と祖父はあの方と妹姫のために学園を建てた。
せめて学園の中だけでも、笑っていて欲しかったのよ」
「皇族は最低だわ。貴方の主なんてその筆頭ね。愚か者同士、馬が合うんでしょう?
あら、私に怒るわけ?学園を崩壊させた愚かな皇女の騎士様とあろう方が」
「与えられていた温かな心。それに気付こうともしなかった貴方に、送る言葉などないわ」
さよなら、二度と姿を現さないで。
−−− 箱庭の守護者の断罪。
C)穢れを知らぬものなどひとではない。
「そうね。最初は、利用されるだけで捨てられると思ったわ。
だってアイツ、斜に構えて皮肉ばっかり言うサイテーな男だったもの」
「でも…違ったわね。あの時は私もアイツも、学生の姿で昼間だったから。
私たちはブリタニアの学生なのよ。本音を吐けるわけがないでしょう?皮肉ならともかく」
「…アンタ、間違ってる間違ってるって、それしか言葉知らないの?」
「じゃ、聞くけど。アンタの皇女様は、どれだけの数の日本人が苦しんでるか知ってる?
はあ?ほんっとうに救えないわね。あのお飾りが知ってるのは、トウキョウだけじゃない」
「そういう意味では、総督もご苦労様だわ。まあ、責任は総督なんでしょうね。
ま、とにかく。アンタと皇女がどんな言葉を並べても、私の決意は覆せない。
ってゆーか、アンタを殺しても私の気が済むとは思えないのよね」
さっさと消えて、目障りよ。
−−− 紅の騎士が言い捨てた言葉。
2007.10.25
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