―――中華の武官がなぜ、か。どの人間も、訊いて来るのは必ずそれだな。
…あの方に剣を捧げようと誓ったからだ。他に何がある?
天子様への忠義とはまったくの別物だが、どうやらそれが気に食わない連中が多くて困る。
確かに、本来なら私がお仕えすべきは天子様なのだろう。
だが彼女に"世界"を教え、国を治める者としての自覚を持たせたのはあの方だ。
…いや、天子様を理由にしては失礼だな。あの方にも、天子様にも。
私は単に、あの方の"世界"で共に立ちたいと、そう思っているだけなのかもしれない。


黎星刻
初対面:"ゼロ"復活より1ヶ月後
場所:アッシュフォード学園地下
第一印象:黒の似合う方ですわ…。


「そう、長い黒髪が羨ましいとも思いましたの。わたくしは頑張っても無理ですから。
初めてお会いしたとき、ルルーシュと魔女さんと一緒にお出迎えくださったんです。
…ルルーシュの隣、もしくは背を守る。そんな位置に違和感なく立っておりましたわ。
普通は無理でしょう? "あの"ルルーシュの隣ですもの。"妹"としてなら、わたくしも可能ですけれど。
"騎士"という存在は、本来ならば主の隣には立ちません。主の剣であり盾ですから。
そう考えると、星刻は"騎士"というよりも…ああ、"理解者"なのかもしれませんわね。
やはり羨ましいですけれど、わたくしには絶対に無理ですわ。
一番大きな理由は、ルルーシュの頭の回転が神掛かっていることですもの!」


ーーー ユーフェミア・リ・ブリタニアの場合

初対面:"ゼロ"復活より1ヶ月後
場所:アッシュフォード学園地下
第一印象:騎士? この男が…?


「正直言って、騎士には見えなかったな。同じ位置に立っていた、っていうのが大きいだろう。
騎士は主の前に立つ者だ。主に危険が及ばないよう、真っ先に矢面に立つ。
黎星刻がそうでないとは思わないが、やはり"騎士"と呼ぶには違和感がある。
参謀だとか右腕だとか、そんな呼び名の方が合うと思わないか?
…一度剣を交えたが、あの腕は信頼に足る。訊けば、KMFの操縦もかなりのものらしいじゃないか。
次はぜひとも、KMFで手合わせ願いたいね」


ーーー ジノ・ヴァインベルグの場合

初対面:ブラックリベリオンより2ヶ月後
場所:中華連邦・朱禁城
第一印象:なかなかに、見所のある男じゃないか。


「言っておくが、世辞ではないぞ? 私の褒め言葉は貴重なんだ。素直に受け取れ。
…私はルルーシュの共犯者であって、理解者ではない。
理解者というものは、生きる上で必要不可欠なんだ。嚮主であった頃の私もそうだった。
だがヤツの場合、天子への忠誠心が見上げたものだっただけに、最初は危惧していたのさ。
まあ、今となっては取り越し苦労だったようで、何よりだ」


ーーー C.C.の場合

 黒    龍

黒    き    王        の        黒    き        騎    士
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09.4.19/11.1.23 修正