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捏造V様+ルルーシュ、R2版。
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『思い出せ、"王の力"を』

思い出した。
いや、正確に言えば、"思い出すことを余儀なくされた"と言うべきか。
ごちゃごちゃといろいろあったが、『ゼロ』として最低限のことは出来ている。
今は誰も居ないこの部屋の中で、ルルーシュは目を閉じる。


次に目を開けると、そこに広がるのは一面が水の世界。
暗闇の中で仄かな明かりを放つ水面は水鏡となり、裏返しの世界を足元に映し出す。
映る自分の姿を見つめ、ルルーシュはわざと波紋を創った。


ーーパシャン。


足元に向けた視界の外から、別の波紋が返る。
顔を上げた先に居たのは、長い金髪をした、


【ようやくお目覚めか。我が王よ】


少女だか少年だか分からない、だがC.C.と同様の笑みと気配を持った子供。
ルルーシュは美しい紫の眼を細め、その子供を見据える。

「…貴様、V.V.と言ったか。やってくれたな」
【何を?】
「ナナリーを連れ去ったのは貴様だろう。あまつさえ、皇族に引き渡すとは」

そう、ナナリーが居なくなり、ロロが現れた。
記憶を取り戻して見つけた妹は、あのおぞましい皇宮に。
V.V.は声を上げて笑った。

【王が案ずるべきことはないさ。見知った人間が居ないだけで、相当に恵まれた環境だ】
「…問いに答えろ」
【簡単なこと。王に、早くこちらへ来て欲しいからだ】
「なに…?」

V.V.は笑みを緩やかなものに換えた。

【Cも私も…いや、"我々"は悠久の時を待った。これ以上は御免だ。
私がそちらへ行くことは難しい。だからこそ、我が王に来てもらいたい。
最愛の妹が居るならば、遅かれ早かれ、来てくれるだろう?】
「……」
【永きに渡り捜し続けた、我らが王よ。お前は神の寵愛を受けている】



ーー神に仇なす愚かな王を、倒せ。



「おい、ルルーシュ。こんなときに寝てもらっては困る」

薄らと目を開けると、そこにはCの名を持つ魔女が居た。
C.C.は胡乱げにこちらを見上げるルルーシュに、柳眉を寄せる。
「どうした?」
彼の返答は遅かった。


「…何も。お前は…いや、"お前たち"は何者なのかと思ってな」


『魔女』と名乗り『王』と呼び、『神』と名指すお前たちは。
end.

2008.4.13

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