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9話派生、第1期「World is...」流
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>> 神楽耶(本編)



「日本京都六家は、わたくしと貴方だけになってしまいましたね」
「…知っているよ」

仕方がない、と言った。
桐原公や、彼も知っている他の者たちがすべて死んだことを。
死ぬことが当然だったと。
腑が煮えくり返るなど、生まれて初めてだった。

ああ、なんて最低な男だろう!

「言の葉で殺せたら素敵ですのに!」

きっと冗談と取っただろう。
彼は私を、お茶目な女の子としか思ってないのだろう。
そう、昔のように。
いや、会ってないのだから彼はそれしか知らないのだ。

(冗談?まさか!)

何度殺したって殺し足りない!

>> ミレイ(本編)



「表だけの友情なんて要らない!同情なんて要らないわ!!
ユーフェミア様だけだったの!わたしを見てくれたのは、あの方だけだった!!」

ああ、彼女はこのような人間だったのだろうか。
ミレイには分からない。

(貴女はそう思っていたの?私だけじゃない。
ルルーシュやシャーリー、リヴァルまで)

ねえ、本当にそう思っているの?
私と貴女は、友達ではなかったの?
友達だと思っていたのは、私だけだった?

誰かを崇拝することは構わない。
誰かを心の支えにしても構わない。
でも、

(私たちを、貴女は見ていなかったの?)

この場合、いったい誰を罵れば気が済むのだろうか。

>> カナリア(「World is ...」でR2軸という無茶)



色を替えただけで、誰も気付かない。

騎士団の動きを先読みして、中華連邦の朱禁城城下に劇場を構えた。
城下に住めるのは富裕層のみであるため、興行には困らない。
ブリタニアの第1皇子オデュッセウスと中華の皇帝、天子の婚約。
正式な招待を受けたため、1人赴くことにした。

黒一色だった服を、鮮やかなプリズムイエローに替える。
髪を染めるのは嫌だったので、金に近い黄色と朱色のエクステを付ける。
いつもポニーテールにされていた髪型を、穏やかに見える緩いツインテールに。

(…なんでこんなに気合いが入るんだ……)

ちなみに、これらを決めたのもセットしたのも、本人ではない。
我が劇団員ながら、時々分からない。
なぜそんなにも楽しそうなのだろうか、と。



祝賀の席に、神楽耶と共に現れた『ゼロ』。
(…なるほどな。枢木以外には"ギアス"を使えるか)
別室で行われるチェスの模様を、遠目に見つめる。
(さすがに腕を上げたか。だが…)
経験を積んだのは、何もルルーシュだけではない。
同じくキングを動かしたシュナイゼルを見、相変わらずだと笑みを浮かべた。

(相変わらず、嫌な人間だ)

途中でチェスの勝負は流れたが、この先が楽しみで堪らない。
(勝ちを取らず、自らの矜持の為に勝利を逃した。相変わらず、甘い)
それを変えることが出来なければ、シュナイゼルには勝てまい。

世界に戦争を吹っかけた異母弟は、どこまで飛べるだろうか。

『黒鳥』はひっそりと笑った。
end.

2008.6.13

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