〜その頃、不破室長の部下たちは〜



「あれ? 王様は?」
「まだ戻ってきてないね〜」
「おっかしいな…。あの人、俺より先に出たはずなんだけど」
「またどっかで掴まったんじゃねー?」
「掴まえた、の間違いでしょ」
「……もしかして、」(←ピキーン!)
「ANNニュース!」(←察した)
「「よし、中継探せ」」


ーー間ーー


「マジで王様掴まえてんだけどwww早く会議の報告しろとwww」
「てか文科の姫様いるしww」
「またかよwwwまた台風コンボ発生中とかwww」
「誰か止めに行けよwww」
「無理www」
「今、文科の姫様んとこの同期からメール来たんだけど。
うちの王様から『外省の正面玄関に5分後に来い』ってだけの電話来たってwww」
「まじでかwww」
「ひでぇwww」
「それは酷いwww相変わらず相手の都合聞かねーしwww」
「王様パネェwww」


ーー間ーー


「…ところでさあ、また王様『ヨシノ』って言ってんだけど」
「文科の姫様も言ってたな、『ヨシノ』って」
「エセルバート外交官も知り合いっぽかったな」
「『ヨシノ』って誰だろうなあ…」
「そもそも、それって苗字なの? 名前なの?」
「知らん。男か女かも分かんねーよ」
「王様の何なんだろーね。女ならやっぱ恋人?」
「確率高いな。男なら?」
「えっ……親友とか?」
((あの王様の、親友…?))
「…やべ、俺『ヨシノ』が誰か知るの怖い」
「すまん、俺もだ」


ーー間ーー


ガチャッ
「あ、おかえりなさい室長!」
「外交会議まであと40分ですけど、さっきの会議の報告いけます?」
「ああ? やるに決まってんだろ。準備は?」
「オッケーです。資料だけメーリングリストに」
「全員目ぇ通したか?」
「はい。質問は纏めときました」
「OK、優秀な部下ばっかで助かるぜ。んじゃ5ページ目からな。ここは…」

平凡で、傲慢で、美しき救世主(メシア)へ・了
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