神は非礼を受けず
(6.ある薙刀たちの談話)
「なあ、静形の」
「なんだ、巴形の」
「例の監査の件なのだが」
「ほう?」
「やはり思うのだ。監査官が山姥切殿で良かったと」
「…なぜか、と訊いておこう」
「ああ。一斉摘発で逮捕された人の子は皆、人の法の元で罰を受けている。無論、刀剣男士の意見も重々加味された上でだが」
「そうだな」
「もしも、だ。もし監査官が平安刀の誰かであったなら、こうは行かなかっただろう、と」
「………そうだなぁ」
「平安刀の誰かであったら、」
「正気を飛ばされ、傀儡と化していただろうなぁ」
End.
2019.1.25
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