STAR DRIVERの世界に00介入
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巨大な機械たちが動く、無機質な音ばかりの世界。
その一角で甲高い電子音が目覚ましのように鳴り響き、誰かの歓喜の声が上がった。

「凄い、凄いわ! 綺羅星十字団創設から考えても、最高の結果よ!」
「これは…、もう、言葉にならんな…」

科学ギルドの代表であるプロフェッサー・グリーンが、飛び跳ね兼ねない勢いで喜びを示す。
同じくメンバーであるプロフェッサー・シルバーは、テストの終了を何処かへ告げた。
すると中央にある巨大な柱から、エレベーターの1つが降りてくる。
…この基地で、『電気棺』と呼ばれる機械だ。

「やあ。結果は上々のようだね」

響いた声に、2人のプロフェッサーは綺羅星のシンボルである敬礼を返す。
「これはヘッドさん。こちらにおいででしたか」
確認の問いへ軽い頷きを返し、ヘッドと呼ばれた男は彼らが見ていたモニターへと目を向ける。
「…これは、凄いね」
表示されているのは、先ほどまで行われていた戦闘演習の結果だ。
サイバディと呼ばれる兵器へ擬似的に乗り込み、戦った結果が数値となって表示されている。

接地した電気棺が開き、ドライバーが降りてくる。
「テスト結果は?」
降りてくるなりそんな声が飛び、プロフェッサー・グリーンは笑みを零した。
「改めて言うまでもないわ。綺羅星十字団の歴史上で、最高の結果よ」
「そうか」
淡々と返したドライバーは、少年だった。
仮面で隠された顔はもちろん分からないが、年齢的には16、7だろうか。
その少年の目が、ヘッドの姿を捉える。
しかし言葉は発されず、仮面の奥の視線で誰だと問うていた。
プロフェッサー・シルバーは、仮面の上に掛けた眼鏡を押し上げた。
「そうか。君はまだお会いしたことがなかったな。
こちらは第2隊『バニシングエイジ』代表、今は綺羅星十字団の暫定リーダーでもあるヘッドさんだ」
「…これは失礼しました」
少年は綺羅星の敬礼と共に、一言謝罪を口にした。
もちろん、気にするヘッドではない。
軽く肩を竦め、彼は表示されているテスト結果を再度見上げる。
「それにしても、凄いねえ。これは」
電気棺を使っての戦闘結果は、綺羅星十字団に属している者はすべて一度計っている。
けれどこんな数値は、初めて目にした。
ヘッドは改めて少年に向き直る。
「まだどこの隊にも属していないんだったね。君の名前は?」
少年は淡々と答えた。

「エクスシア」





なんだろう。
朝からずっと、2つ隣のクラスが騒がしい気がする。
「ねえ、ルリ。今日さ、隣がすごい騒がしくない?」
昼休みにそう尋ねたワコへ、ルリは待ってましたとばかりに目を輝かせた。
「そう! そうなのよ!2つ隣のクラスね、転校生が来たのよ!」
「ええっ? 入学式の1ヶ月後に…?」
妙な話だ。
タクトのように無茶な方法を取るならば、ともかく。
思い出して少し笑ってしまったワコは、ルリの手作り弁当に目を輝かせるタクトを見遣る。
「タクト君みたいに、島の外の人なんだね。きっと」
「ん? 何が?」
まったく前後の話を聞いていなかったタクトは、そこでようやく相槌を打つ。
その様子に、今度はスガタが苦笑した。
「なっ、笑うこと無いだろ。スガタ」
「悪い悪い」
欠片もそんなことは思ってなさそうに返して、スガタはおや? と廊下を振り返った。
騒がしさ(正確には黄色い声の方が多いか)が、近づいてくる。
「なんだろ?」
ルリとワコ、そしてタクトも視線を教室の外へ向けた。
このクラスの周辺が騒がしいのはいつものことだが、何事だろうか。
開け放たれている教室の扉の向こうで、誰かが呼んだ。

「あっ、居た! タクト!」

彼らが話題の中心を目にするのと、ガタン、という音を聞いたのは同時だった。
驚きに立ち上がったタクトは、驚いた面々を気にすること無く駆け出す。
彼を呼んだのは、2人の黒髪の少年。
良く似た顔立ちで、彼らが双子であろうことは誰にでも察せられた。

「シン! 刹那!」

記憶より、彼らの姿はだいぶ大人びている。
けれどあの頃のように上げられた右手に、タクトはパシンと自分の右手を合わせたのだ。
…いつからか、挨拶代わりになっていたハイタッチ。
懐かしむよりも前に、嬉しさが込み上げる。

「久しぶり…っ!」

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