『そちらの様子はどうですか?』
「…別にどうもねえな。おもしろい人質が1人いるくらいで』
『人質?』

格納庫の中程までやってきたキラ。
先に来ているはずのカナードの姿を探したが、見当たらない。
「…コックピットかな?」
そう思ってハイペリオンに近づくと、カナードと誰かの会話が聞こえてきた。

「あ!この声ひょっとしてメリオル?!」

ハイペリオンのコックピットに近づき、キラはするりとその中へ体を滑り込ませた。
コックピット内部は1人用のため広くない。
しかしもともと細身のキラなので、手狭く感じることはなかった。
座席にいるカナードも細い方に入るので、結構な空間があるのだ。

『ああ、キラ。貴方も変わりないようですね』
「うん。メリオルも元気?」

当たり障りのない日常会話を交わして、回線を切る。
…メリオルも暇ではなさそうだ。










-月と太陽・4-










「あーあ。何か暇だな…」
座席の背に顎を乗せて、本当に暇そうにキラは呟いた。
カナードはハイペリオンのチェックをしながら、後ろを振り返らずため息をつく。
「ストライクの残りデータは取ったのか?」
「ん〜、まだ」
「……」
「だって、よく考えたらアヌビスは今の状態が1番だし。
ストライクのOSも、ナチュラル用に書き換えるの面倒だし」
「…暇なんじゃねーのかよ」
「暇だよ〜。でも面倒なのは嫌」
そう言ってキラは入ったときと同じように、するりとコックピットの外へ出た。
ここからならカナードを正面から見る事が出来る。
…キラの場合、こうやって暇にしていると必ず整備士の誰かが手伝いを要請してくる。
今は幸いにも整備士全員がエンジンの修理へ駆り出されているため、キラは思う存分カナードを眺めることが出来た。
カナードはキラを無視してOSのチェックを続けている。

目の前の人物を見ていて、キラはいつも思う事がある。
(この人のどこが失敗作なんだろう?)
戦闘に関しては、確かに経験の差がある。
だがそれ以外の自分の得意分野の腕と比べてみても、本当に大差ない。
(むしろ、僕の方が失敗作なんじゃ……)
"強さ"という点において。
…もし、自分と彼の立場が逆だったら?
(絶対カナードってモテるよね…。アスランもかなりモテる方だったし)
そんなことを考えていると、いつの間にか頬が緩んでいたらしい。
「…何笑ってやがる」
怪訝そうに、それでいて呆れたようにカナードがこちらを見ていた。
「ううん、別に?平和な場所にいたら面白そうだな〜と思って」
「何の話だ…」
OSのチェックが終わったらしく、カナードは主電源を落とす。
「…暇だな」
カナードは空いた手を頭の後ろに回してシートにもたれると、キラと同じことを言った。
「…ラクス嬢がこの艦に乗ってる限り、戦闘も起きねえ」
そう言えばそうだっけ、とキラは思い出した。
「ねえ、カナードはそのラクスって人見た?」
「ああ」
「どんな人だった?」
カナードは少し考えてから言った。

「ピンクのお姫様」

「…は?」
いきなりそんなことを言われて、聞き返さない方がおかしいだろう。
「ピンクって、そのラクスって人が?」
「それにお前の持ってる鳥と似たような、変なロボットがいたな」
「…トリイと似てる変なロボットって何……」
"鳥"と形容しているのだから、トリイは"変なロボット"ではない。
カナードは何かに気づいたのかキラの後ろを指差した。
「ちょうどあんなヤツ」
「え?」

ゴィンッ!!

キラの目の前で火花が散った。
「いったぁ〜〜〜〜!……」
振り向いた途端、何か堅いものがキラの額に直撃した。
キラはぶつかられた額を手で擦る。
『ハロハロッ!ダーイジョーブカー?!』
馬鹿にしたような声に、キラはムッとしてそちらへ振り返った。

『テヤンデイッ!』

"それ"はカナードの手の上で、独特の機械音を鳴らしながら飛び跳ねている。
カナードは声を押し殺しつつ笑っていた。
「…笑わないでよ、もう!」
キラはぷっと頬を膨らませると、改めてその"変なロボット"を見る。
「…何これ?」
"それ"はぴょんとキラの手に移り、そしてこう言った。
『ラークースー!』
「え?」
キラが振り向くと、そこには本当に"ピンクのお姫様"がいた。

「こんばんわ」





意識を失っていたフレイは、目が覚めても父の死が信じられずに泣いていた。
「フレイ…」
サイはそんな彼女を抱きしめる事しか出来ない。
先に食堂へ寄って飲み物を持ってきたトールとミリイも、慰めの言葉が見つからなかった。
とりあえず、持ってきた飲み物を2人の傍へ置く。
サイはそれでようやく、トールとミリイに気がついた。
「ブリッジはどうなってる?」
「…ああ、当分戦闘にはならないみたいだ」
トールの言葉にサイは曖昧な相槌を打つ。
「そうか…。キラは?」
ピクリ、とフレイが反応したことにサイは気づかない。
「たぶん格納庫にいると思うわ。キラはあのMSに乗ってたの」
「…あの黒と白の?」
「そう。キラが黒い方で、カナードって人が白い方に乗ってたみたい」
キラの後に通路を通った黒い髪の人だろうか、と思考を巡らす。
ふっとフレイが顔を上げた。

「"キラ"…って、言った?今」

3人は咄嗟の反応が遅れる。
「あの子が、あそこにいたの?MSに、乗ってたの?」
涙の跡はそのまま。
フレイは半ば睨みつけるようにトールとミリイへ答えを求めた。
"あそこ"とは、おそらくまだ父が生きていた先の戦闘のことだろう。
隠す理由がないので、戸惑いつつもミリイが答える。
「ええ。ユーラシア連邦軍からの援軍だ、って艦長に言ってたわ」
「援軍…?」
フレイは立ち上がるとミリイへ詰め寄った。
「助けに来たって言うの?それなのに、あの子はパパを守ってくれなかったの?!」
口調がきつくなり、サイも立ち上がって詰め寄るフレイを止める。
「フレイ、ちょっと落ち着け」
肩に置かれたサイの手を振り払い、フレイは船室を飛び出した。





目の前にいる桃色の髪の少女に、キラは目を丸くした。
その少女はキラの手から飛び跳ねてきたあの"変なロボット"を叱る。
「いけませんわ、ピンクちゃん。人に迷惑をかけては」
(…そういう問題……?)
その少女はキラの不可解な面持ちを気にすることなくにこりと微笑んだ。
「私はラクス・クラインですわ。お名前を教えて頂けませんか?」
差し出された手に、キラも慌てて手を差し出した。
「あ、僕はキラ・ヤマトです。よろしく、ラクスさん」
「こちらこそ」
ラクスはにこにこと笑顔を崩さず、今度はキラの後ろにいるカナードへ微笑んだ。
「こんばんわ、カナード様」
当のカナードもキラと同じく、突然現れたラクスに驚いていた。
「…ラクス嬢、あんたどうやってここに来たんだ?」
そういえば部屋の前で会ったときも、彼女は軟禁されているはずの部屋から出てきた。
しかしラクスは質問の意味が分からない、とでも言うように苦笑する。
「私、いちおうお聞きしましたわ。"外に出てもよろしいですか?"って。3度も」
((答えになってない…))
「それに、鍵が掛かっていると…この"ハロ"が勝手に開けてしまうんですの」
そう言って"ハロ"を両手で持ち、2人に見せるように持ち上げる。
どうやらあのピンクの丸くて堅い物体は、"ハロ"というらしい。
いや、問題はそこではなく。
「…誰が作ったんだよ、そんなもん」
ピッキング機能なんてシャレにならない特技を持つハロの作り主に対し、カナードは微々たる非難を込めて言った。
その皮肉をラクスはむしろ褒め言葉と受け取ったらしく、嬉しそうである。
「私の婚約者の方がプレゼントしてくれましたの」
最高評議会議長の娘なのだから、婚約者がいて不思議はない。
周りにそんな部類の人物がいたので、キラは興味を持った。
「あ、婚約者がいるんだ。なんて言う人?」

「アスラン・ザラと申しますわ」

キラは聞き間違いかと思った。
「えっ!アスラン?!」
カナードは何となく、GATシリーズが1機のみであった理由が分かった。
「イージスのパイロットの奴か?そーいやザラって議員がいたよな…」
今度はラクスが驚いたようだ。
「まあ、お2人ともアスランをご存知ですの?」
「いや、俺は知らねえ」
カナードはキラを示す。
アスランの名を聞いたキラは、"ハロ"にどこか納得したらしい。
「そっか〜、アスランが作ったのか。どおりで喋るわけだ…」
独り言のように呟くと、キラはラクスに微笑んだ。
「アスランは僕の幼なじみだったんです。…トリイ、おいで」
キラが名を呼ぶと、アヌビスのコックピットからバサバサと何かが飛んできた。
『トリイ!』
「まあ!可愛らしいですわvv」
「これもアスランが作ったんですよ」

キラとラクスは、お互いに"アスラン"という人物について盛り上がっている。
話に入る理由のないカナードは下へ降りた。
…格納庫の入り口が騒がしい。
宇宙空間なので足音はないが、誰かが誰かを制止するような声が徐々に大きくなってくる。
「…穏やかじゃねーな」
格納庫に勢い良く入ってきた人物を見て、カナードは呟いた。
呟かれた言葉とは逆に、表情は楽しそうで。





サイやトールたちの制止も聞かずに、フレイは格納庫へ入った。
普段なら整備士たちが入れてくれないが、幸か不幸か整備士は誰もいない。
自分の視界に入ったのは、3人。
1人はサイの友人という形で知っているキラ・ヤマト。
もう1人は知らないが、明らかにコーディネイターであろう人物。
そして残る1人に、フレイはまず目を見開いた。
…嫌でも目立つピンクの髪の毛。

「何で…何でアンタがここにいるのよっ?!」

ようやく追いついたサイ、トール、ミリイも目を丸くした。
フレイと同じ疑問を、彼女と違って不快感抜きで感じている。
騒がしさに気づいたキラとラクスは、カナードの隣りに降りてきた。
「皆してどうしたの?」
キラは首を傾げる。
先頭にいるフレイにただならぬ様子を感じる上に、後ろにいるサイたちは狼狽えている。
フレイに名指しではないが問われたラクスは微笑んだ。

「私はお散歩ですわ」

((…散歩だったのか……))
キラとカナードは呆れるしかない。
彼女がフレイの少し前まで進み出ると、フレイは反射的に1歩身を引いた。
「な、何よ?何でアンタがここで歩き回ってるの?ザフトのくせに!」
ラクスは静かに首を横に振った。
「私はザフトではありません」
言い返されたフレイはカチンと来たらしい。
「なっ、コーディネイターなんてみんな同じじゃない!!」
ラクスはもう1度首を横に振る。
「違いますわ。私は軍人ではありませんもの」
そう言って、フレイの後ろにいるサイたちを見た。
「あの方々は軍人のようですけれど、貴女は違うのでしょう?ザフトは軍の総称ですわ」
そしてラクスはキラのときと同じように手を差し出し、握手を求めた。
「軍人ではないのですから、私と貴女は同じですわね」
悪意も何もなく微笑むラクス。
しかしフレイは差し出された手を見ると自分の手をパッと後ろへ回し、さらに1歩後ずさった。
「ちょっと、何?やめてよ!」
ラクスをギッと睨みつけ、フレイはまた後ずさる。
「アンタと私が同じ?ふざけないでよ!」
そして強い調子で言い放った。


「コーディネイターのくせに、馴れ馴れしくしないでっ!!」


フレイの声が空気に溶け込むと、格納庫が静まり返った。
…痛い沈黙だ。
サイ、トール、ミリイは言葉を失う。
まさか、フレイがそのような考えを持っていたとは。
ラクスはきょとんとし、キラは感情もなくフレイを見ていた。
沈黙を破ったのは、カナード。

「ふうん。お前、ブルーコスモスか」

コーディネイターの完全排除を掲げるナチュラルの過激派団体"ブルーコスモス"。
彼らは"蒼き正常なる世界のために"を信条に、コーディネイター虐殺テロを繰り返している。

フレイはカナードを睨んだ。
「私は違うわよ!」
そのフレイを、カナードは冷ややかに睨み返した。
「加盟してなくてもその考え方は同じだろ。お前の親が加盟してたんじゃないのか?」
キラとはまた種類が違うが、カナードもナチュラルとコーディネイターの違いを根底に持っていない。
…早い話、"自分以外は全て敵"だからだ。
しかしブルーコスモスの考え方というか、行動は理解に苦しむ。
何しろ、連合軍の中にいても標的にされるのだ。

『お前の親が』

カナードのその言葉に、フレイはラクスの存在で忘れかけていた憎しみを露にした。
その憎しみは自分の知るコーディネイターである、キラへ向けられる。
「あんたが、パパを殺したんだわ…」
「…は?」
フレイの鋭い視線をどうという事もなく受け止め、キラは首を捻る。
(フレイのお父さんなんて見たこともないし…)
キラの様子を意に介さず、フレイは続ける。
「何で…何でパパを守ってくれなかったのよ?!」
怒りを含み、それでいて叫ばないように押し殺された声。
(…えーと……?)
何の話かさっぱり分からないキラは、一生懸命に頭をひねる。
そして思い出した。
「あ、トールとミリイに聞いたっけ」
"フレイの父親が、第八艦隊先遣隊に乗っていた"。
しかしそれを思い出した途端に、キラは不愉快な表情を露にする。

「何で僕が責められなくちゃならないの?」

フレイを見るその目は、とても冷たいものだった。
2人の様子を固唾を呑んで見守っているサイたちが、思わず1歩後退るほどの。
キラの言葉にフレイは信じられないと言うように叫んだ。
「当たり前でしょう?!アンタはあそこで戦ってたんだから!味方として!!」
「…それは本当だけど」
そう言ってキラはちらりと後ろにいるカナードを見た。
…ああ、何だか彼は楽しそうだ。
まさか自分たちがザフトに付くような考えを持っていたと、誰が思うだろう?
一部肯定したキラに、フレイは嘲笑った。
「ほら、本当じゃない!アンタがパパを殺したの!!」
キラは目の前の少女がどういう思考回路を持っているのか、半ば本気で疑った。
そして、今まで何の苦労もなく生きてきたのだろうとも思った。

「僕が受けた命令は"AAの護衛"。他のことなんか知らないよ」

フレイは硬直した。
同時に、沸々と身体の奥底から怒りが込み上げてくる。
一方でサイは、今の言葉を本当にキラが発したのかと耳を疑った。
…あれが自分の知る友人の"キラ"?
少しは事情を知るだろうトールとミリイを振り返るが、2人は何も言わない。


「おい!何の騒ぎだ?!」


フレイの叫び声が通路の向こうにまで響いていたのだろう。
フラガが血相を変えて飛び込んできた。
彼の目に最初に入ったのは、入り口付近で立ち尽くすサイ、トール、ミリイ。
その彼らの前に出て、フラガは目が点になった。
「な、ピンクのお嬢ちゃん?!何でこんなとこに…」
フラガに気づいたラクスはにこりと笑う。
「こんばんわ」
…彼女がひどく、この場の空気に合わないと感じた。
ラクスの隣りにはキラとカナード。
キラは、今までに無いほど冷たい目をして誰かを見ていた。
そしてカナードは、キラとその視線の先にいる誰かを面白そうに見ている。
2人の視線の先にいるのは、紅い髪の少女。
(ブリッジに乱入してきたお嬢ちゃんか…)
とりあえず冷静に状況を見て、フラガはフレイをここから連れ出すのが最善だと判断した。
…彼女はただの民間人。
しかも彼女がキラを見る目は、危険な光を宿している。
フラガはフレイに近づくと、その肩をつかんだ。

「ここは部外者立ち入り禁止だよ、お嬢ちゃん」

いきなり肩を掴まれたフレイは、ビクリとしてそちらへ振り返った。
そして憎しみに染まる彼女の目に映ったものは……、拳銃。

当たり前だが、軍人であるフラガは常に拳銃を携帯している。
その拳銃は腰の右側に下げたホルスターに。
…彼が立ったのは、フレイの左側。
反射的にフラガを振り返り、そして彼よりも背が低いフレイに見えたそれは、とても魅力的な道具。
あっと思う間もなく彼女はその拳銃を奪い、キラに向けて構えた。
「お嬢ちゃん?!」
「「フレイッ?!」」
慌てるフラガたち。
「動かないでっ!!」
フレイはフラガと、その後ろにいるサイたちに拳銃を向けた。
ほぼ丸腰の彼らは黙るしかない。
動けなくなった彼らから視線を外すと、フレイは改めてキラに銃口を合わせる。

「アンタのせいで…っ!!」

自分がフラガたちに拳銃を向けるために、キラへ背を向けたほんの数秒。
その数秒の間にカナードがラクスを別の位置に移動させていたことに、フレイは気付かない。
一方のキラは、向けられた銃口に怯む様子もなく。
「そんなに震えてたら当たらないよ?」
フレイの銃を持つ手が、カタカタと震えていることを指摘する。
「当ててみせるわよっ!!パパの仇だもの!!」

フレイの指が引き金を引き、


パァンッ!!


銃声が響いた。
そして、何か堅い物がガツンと壁にぶつかる音が。

「…っ?!」

フレイは怯えた目で銃声の発せられた方向を見た。
…彼女の手元に拳銃はない。
彼女の持っていた拳銃は弾かれて壁にぶつかり、別の方向へ漂っている。
何より、最後まで引き金を絞ることが出来なかった。
引き絞る前に弾かれて、手元を離れてしまったのだから。
だから、さっきの銃声は自分ではない。

「おい鷹、さっさと銃を回収したらどうだ?」

呆然としていたフラガはその言葉に意識を呼び戻され、慌てて上に漂う自分の拳銃を取りに行く。
ホルスターに銃を仕舞いながら、フラガはフレイの持つ銃を弾いた腕前に、ただ度肝を抜かれていた。
…銃を撃ったのは、カナードだ。
フレイが牽制のために後ろを向いた隙に、カナードは彼女の横へ回った。
そして彼女が引き金を絞ろうとした時に自分も銃を抜き、撃った。
弾は銃身に当たったのでフレイに怪我はない。
仮にあったとしても、それは銃を弾かれたときの衝撃で受けた軽いものだろう。
カナードは冷酷な笑みを浮かべ、フレイへ告げた。


「キラを殺そうとしたらお前が死ぬぜ?フレイ嬢」


格納庫を満たすのは、紛れもない殺気。
その中でただ1人、キラだけは歓喜に満たされていた。

『アレは俺のものだ』

言外にそう言われたも同じ。
だから自分も、彼を殺そうとする者には容赦しない。







『キラ』から『カナード』を奪うことは、絶対に許されない。
『カナード』から『キラ』を奪うことも、決して許されない。

それが、2人の間にある絆。


誰も踏み込めない絆を見たのは、ラクス・クラインという名の少女だった。