果てに続く

(2.巡る、巡る)




『…大好きです、リヴァイさん』

『俺は…、あなたを好きに…なれた自分を、誇りに…思う』

『ねえ、泣かな…で、ください』

『おれはも…動けない、から。あなたのなみだも、ぬぐえない』

『ね、リヴァイさん、』

『おれは、しあわせ…です』



*     *     *



『 拝啓 リヴァイさん
あなたがこの手紙を読む頃、俺はこの世に居ないのでしょう。
少なくとも俺を忘れていることはないと思うので、あなたにこの手紙が渡るようにしておきます。
これ、誰から受け取りました?
早くて俺の孫かなーと思ってますが、曾孫かもしれませんね。

中略…あなたが贈ってくれた指輪を、お返しします。
あの日、なぜあなたがこの指輪を持っていかなかったのか、未だに俺には分からない。
おかげで俺はあなたを吹っ切る切っ掛けを失い、アニを散々やきもきさせることになりました。
あ、アニっていうのは俺の伴侶のことですが、…まあ、彼女のことを話しても仕方ないですよね。

あなたと別れて幸せになんてなれるのかって、初めは思っていました。
でも、リヴァイさんは居ないけど、俺はあなたを思い出に出来たみたいです。
さすがに年が年なので、あの頃の記憶が曖昧になってきただけかもしれませんが。

ねえ、リヴァイさん。リヴァイさんは今、幸せですか?
もし幸せじゃないって言うなら、それは俺が居ないからだって自惚れても良いですか?



リヴァイさん。
俺は、あなたに出会えて幸せでした。

きっと俺は、あなたを一番愛してた。


 敬具 エレン・イェーガー 』



*     *     *



『どうして、嘘…ついたんですか』

『貴方だけなら、十分に、帰還、出来るのに』

『でも、俺、嬉しいです。みんなには、悪い…けど、』

『…だって、最期の瞬間、まで、いっしょ…ですよ』

『一週間。夢、みたいに…しあわせ、でした』

『それ、本当…に? はは、うれしいです、すっごく』

『…リヴァイ准将』

『あなたを、愛することが…できた、おれは、しあわせものです』
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2013.12.31
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